2014年 琉球新報 「落ち穂」コラム掲載

沖縄アートギャラリー

2014年03月13日 06:00

海の大掃除



HN「宇宙の子マサ」鈴木博将(29歳)宮城県出身。去年の3月からチャンプルー荘に滞在しながら「祈りの海の大掃除」をNGO Open Earthを立ち上げ活動している。彼は、沖縄に癒されたいと思って来たのに、毎日うるま市海中道路付近の清掃活動を続けている。7月に、沖縄と平和のために何かできないかなと考え、植林の経験から沖縄を一周走りながら、木に平和の願いを込めて植えていった。その途中で、漂着ごみの海と出会った。マラソンが終わった、次の8月から「海の大掃除」という名前で始めた。彼には、活動を評価されたいとかいう欲は、全くない。自然に感謝する気持ちを行動にしたのが、海の大掃除だと爽やかな笑顔で言う。毎朝、元気良く「いってきます」と言う彼を見送りながら、なぜなんだろ?何がそうさせるんだろうって思ってきた。すべての事柄には、「原因」があってそこに「縁」という条件が整って「結果」が生まれるという仏教の考えがある。彼は、海を綺麗にしたいという気持ちをゴミを拾う事で表現し、その行動を見て応援する仲間が増えていき、感謝され理解され支えられている。そんな彼も一時期「目に見える結果を出したい」と悩み葛藤したそうだ。「結果にこだわった時。綺麗にしても、次の日戻ってきているゴミ。何も解決できないんじゃないか?それで、すごく苦しくなった」そんな時、友人てんつくマンのメールで「最近すごく結果にこだわっているよ。」それから、結果を考えずに、ただ感謝を届けるように意識し「今日は、これだけ、綺麗にさせてもらいました。」自然に対して感謝する事に意識を向けた時に、ゴミが返ってきたとしても、気にならなくなったそう。結果がどうとか、どうすれば良く見えるとか、そんな余計なことに囚われず、ひたすら自分がしていることに打ち込んでいる。そうすれば、心が騒ぐことも、乱れることもなく平穏でいられる。そんなことを彼の行動や言葉から学んだ。今半年目、話を聞いた日で、約七万個、七六五袋。ぜひ、海中道路付近で彼を見かけたら「ありがとう」と声をかけてほしい。


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