2014年01月16日

2014年 琉球新報 「落ち穂」コラム掲載

チャンプルー荘


桜坂に、ゲストハウスチャンプルー荘を立ち上げて今年の七夕で九年になる。ドミトリーという客室で、男女別の相部屋、トイレシャワーは共同。だが、ホテルよりもはるかに格安で泊れる。いわゆる素泊まりの宿。何がいいかと言うと、ホテルでは味わえない、ゲスト同士の一期一会の出会いである。私自身、東南アジアを相方と一緒に回った。ゲストハウスを立ち上げた理由は、旅好きと沖縄で何かをしたいだった。その二つを形にしたのが「チャンプルー荘」だ。
 チャンプルー荘の意味は、文字通り「混ぜこぜにした」世界。いろんな人が混ざりあう場所。そこから生まれる繋がり。オープン前、三つ宿名候補があった。散々迷って決められなく、立ち上げに力を貸してくれた、兄弟にどれにするか相談したところ、それぞれの意味を説明する間もなく、兄があっさり指すことでで決まった(笑)。「チャンプルー」の「ー」を入れるかは、弟が書いて決まった。東京育ちの相方は「チャプル」と書いたが、沖縄育ちの弟は、しっかり「ー」を書いた☆
 ロゴは、相方が沖縄のイメージが「白い雲」から描いたた。東京の空と違い、青い空に浮かぶ白い雲が、変化する海の色よりも強烈な印象を残したから。私は出番がなかったので仕方なく、言葉をつけた。「空に浮かぶ雲のように、自由自在に形を変える」
 宿を運営していく中で、たくさんの出会いや繋がりができた。その中で、もう一つの顔を持つきっかけが2009年の「沖縄アートブループ」の立ち上げである。チャンプルー荘という一つのコミュニティーの中に、旅人以外に沖縄在住も入ってきた。その中で私の興味を引き付けたのが、アーティストの卵達。いい作品を生み出しているのに、見せる場がない。それよりも、お金に変える方法がない。アート系の知識も仕事経験もないが、若手作家の溢れ出る想いで生まれた作品を世界に出して見たいと思った。
 旅人と作家。二つの顔が日々出入りする。互いに自分にない何かを相手から見つけだす。一人ひとりの綺麗な色が重なり合って、玲瓏たる笑顔や繋がりが生まれている。     


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Posted by 沖縄アートギャラリー at 06:00│Comments(0)コラム
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